プロローグ

今より幾何かの昔、時に西暦2204年
人類は増えすぎた人口により深刻な資源・食糧難に陥っていた
この問題を解決すべく人々は二つの選択に迫られた
一つは宇宙へと進出し新たな土地を開拓する方法
そしてもう一つは、人口そのものを減らし地球に留まり続ける方法
この二つの選択を巡り世界は二つへ分かれていった

人口を減らすことなど虐殺同然であり、事態の根本解決足り得ないとする開拓派
現状、開拓する資源も時間もないと主張する残留派
話し合いは平行線をたどりやがて全面衝突へと発展する
第三次世界大戦の勃発である

戦争当初、物量で勝る開拓派が有利と思われていた
が、しかし
追い込まれた残留派は条約を無視した様々な兵器を使い状況は一転
結果、残留派が勝利することとなる

勝利した残留派は開拓派の官僚を含む数千万という人々を
宇宙開拓補助運動という名目の元、宇宙へと追放した
そして、ここに終戦を示すため、暦をA・W(アフター・ウォーズ)とした

それから約三世紀が過ぎ去ったA・W320年
地球は地球圏統一国家連邦の下、ひとつに統一されつつあった
そこに突如として一つの飛行物体が飛来する
それは、未知の技術で作られた機動兵器であった
突然と得られた未知なる技術に人々は狂喜し、それが何であるかを考えようとするものはいなかった
この技術革新により、人々は人型の戦術機動兵器、通称TWを開発するにいたった
しかし兵器が作られればそこに争いが起こることは必然である
再び戦いを始めた人々が迫り来る危機を知るのはすぐではなかった

時しばらくして、飛来した飛行物体のブラックボックスから信じられない内容のメッセージが発見される
「我々はドーミネーター」
「かつて宇宙へと迫害された者達の子孫である
「愚かな地球人に代わり、新たに地球を管理するため」
「地球暦での十年の後、全ての地球人類を排除する」と
この事実は、人々を混乱に落とし入れた
開拓派の人間が生き残っていたなどと、とても信じられる内容ではなかった
しかし、事実が目の前にある以上、認めざるを得なかったのは言うまでもない
目前と迫った人類滅亡の危機を前に統一地球国家連邦は
地球軍連合国家連邦と名を変え
これを迎え撃つべく戦いの準備を進めるのだった


人類の存亡を賭けた
後に『超霊機戦記』と呼ばれる戦いが
今、始まろうとしていた